難治性の慢性咳嗽
患者像

CASE9

50歳 女性(架空のものです)

監修

東北医科薬科大学 医学部 内科学第一
(呼吸器内科) 教授 

玉田 勉先生

CASE9
職業コールセンター
家族アレルギー疾患なし
喫煙歴なし
ペット
BMI28
アレルギーハウスダスト、ダニ、スギ花粉
咳嗽持続期間3ヵ月(乾性咳嗽)
併存疾患気管支喘息(咳優位型)
胸部X線/CT異常なし
好酸球数350
Eos(%)7
IgE(IU/mL)220
FVC(L)2.5
%FEV1(%)85
FEV1/FVC(%)78
FeNo(ppb)20
咳VAS(mm)80

経過/様子

  • 昼夜問わず咳が続いたため近医を受診し、3ヵ月前に気管支喘息(咳優位型)と診断された。
  • 近医にてICS/LABA/LAMAを基本とし、増悪時には短期間の経口ステロイド薬使用および頓用として中枢性鎮咳薬を処方された。
  • 3ヵ月間の喘息治療薬の吸入により、夜間の咳は治まったものの日中の咳が残存している。
  • 喘息治療開始2ヵ月経過頃から咽頭の違和感(喉のイガイガ)が出現し、続いている。
  • 胃食道逆流症(GERD)、副鼻腔炎等の慢性咳嗽をきたす主な原因疾患に関する所見等は見られなかった。
  • 好酸球数およびFeNO値は正常範囲内である。
ICS:吸入ステロイド薬
LABA:長時間作用性β2刺激薬
LAMA:長時間作用性抗コリン薬